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社長のおすすめ図書
意外に思われるかも知れないが美術館が好きである。
なぜか?
多分ではあるが汚れきって、さらには腐りきったこの心や性格を、美しいものを鑑賞することによって少しでも世間の平均値に近づけようとする本能の涙ぐましい努力と思われる。
中原中也は「汚れちまった悲しみになすところもなく日は暮れる」と詠ったが、さしずめ私の場合「汚れちまった性格になすところなく日は暮れる」といったところであろう。
このまま行けば日は暮れるどころか人生の灯が暮れる。社会生活維持本能が何とかそれを阻止しようとしているのであろう。
美術館はとても静かである。
静けさが好きな私であっても、かなりの緊張を強いられる静けさである。その中にも職員さんはいるのだ。
我が社のAさんには決して勤まらない職場であろうことは想像に難くない。
そんな美術館で働く人の悲喜こもごもを描いたのが本書である。
ピカソ、フェルメール、東山魁夷などの作品を題材にAさんには絶対に勤まらないであろう世界を描いた本短編集、ぜひご一読あれ。
ちなみにBさんと美術館に行くと楽しいですよ。